投稿日:2008-08-01 Fri
西国三十三所 観音霊場 祈りと美 展 が奈良国立博物館で始まった。8月1日より9月28日までという長期にわたっての特別展だ。九月からの結縁御開帳にあわせ開催されるもので、10月からは名古屋市立博物館でも開催されるようだ。
私は、このご開帳にあわせ、頒布されることになった13cm×8cmの「カラー御影」(と札所会では呼んでいる)の原画を依頼され、描いた。カラー御影は、このほどお納めした。魅力的な美しい御影ができたと自負している。九月から各札所で頒布されるはずなので、ぜひ、お求め頂くことをお勧めします。
三十三所すべて揃うと圧巻です。
で、この御影の原画であるところの、仏画なのだが、今、掛け軸となって、奈良博の新舘ロービ奥、つまり、「祈りと美展」をご覧になって、クタクタになって降りてこられたところの札所グッズ販売コーナーのまだ向こうに、よくわからないが、写真展と題して、この仏画(御影の原画)が展示してある。
昨日の内覧会で、はじめて展示状況を知って、ビックリした。
まるで、写真でつづった西国札所案内の雑誌の1ページを見るような展示構成で、同列に展示された御影を観て、描き手として、なんだか言いようのない寂しさがこみ上げてきた。
2年も3年も長い間制作を待たせていた他の依頼主に、西国のご本尊を描かせて頂くことになったのでと、私の一方的な都合で、それ等の仕事もむりやり後回しにお願いし、引き受けた仕事だった。
私が仏画を描いて生活させていただくきっかけが、今は亡き父親が西国を巡礼する時に描いた集印軸の観音図を描いたことだった。私にとっては、西国の観音様が私に仏画を描くきっかけをくれたようなそんな想いがあって、時間にほとんど余裕・・・いやぜんぜんなかったのだが、恩返しの意味でも、引き受けなければと思った。そんな経緯があった。
そんなことで、歴史ある札所のご本尊、つまり新しく彩色された「御影」が完成し、各紙で報道された。
この御影が、今、奈良国立博物館で開催中の「西国三十三所 観音霊場 祈りと美」展に平行して新舘一階ロビーに、特別コーナーを新設し、西国札所の四季折々を写真に収めたプロカメラマンの溝縁ひろし氏の作品と同じスペースに展示されている。
7月31日の内覧会で初めてこの展示を観た。
内覧前に私に相談して欲しかった・・・。
今となってはもう遅いかもしれないが、これをご覧になった一般の方はどうお感じになるのだろう・・・・。
たぶん、主催者側は、今時の美しいカラー写真満載の札所案内にしたかったのだろう・・・。
雑誌の特集記事の一ページのような展示方法に、私は透明アクリル板に収まったご本尊のお姿が、隣の写真と同列に無機質に感じた・・・。
筆者に何の相談もなく展示方法が決められる事、それ事態が始めての経験で、あり得ないことだった。
風景写真も展示するというお話は聞いていたが、まさかご本尊とワンセットで展示するとは想像していなかった。
御影は、札所のご本尊である。
札所の風景写真が美しいのは理解できるが、ご本尊の観音様の美しさとは別物である。
私が描いた御影だから言うのではない。
御影だけを、別のスペースで、もう少し厳かな雰囲気で展示して欲しかった。
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