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NHK 日曜美術館「法隆寺金堂壁画 ガラス乾板から甦る美」
昨晩、田舎のお袋から、今、お前の興味のある番組を放映しているのでその番組を観るようにという電話があった。
お袋は、私がなんで絵を描くことにそんなに興味があるのか自分も感じる為に、50歳頃から油絵を習い始めた。
今83歳なのだが、数多くの作品を描き、各市の市展にも入賞している。
力作は、故郷の五個荘(東近江市)のいろいろな私設に寄付をしているようだ。
腕前というと、習ったおかげで、なかなか基本が出来ていて、私も描けないような作品を描いていることもある。
最近では、狭心症やら、手の痺れ等で、なかなか描けないらしいが、連絡をもらったその番組は欠かさず観ている様だ。

その連絡をもらった番組は、NHK 日曜美術館の「法隆寺金堂壁画 ガラス乾板から甦(よみがえ)る美」の再放送だった。
すでに8分ほど経過していたが、興味深い放送なので最後まで観た。

司会に千住明氏と森田美由紀氏。
ゲスト出演者は千 宗屋氏(武者小路千家15代家元後嗣)百橋 明穂氏(神戸大学大学院教授)

日曜美術館のサイトから引用すると、以下の内容だった。

「世界遺産法隆寺。
金堂外陣をとり巻く壁画は、昭和24年、火事でそのほとんどを焼失した。
現在金堂を飾る壁画は、昭和42年に当代一流の絵師たちが制作した再現模写。
その再現の元資料となったのが、昭和10年に原寸大で撮影されたガラス乾板だった。
法隆寺金堂壁画の全貌を記録しようという国家事業だったが、このガラス乾板が焼失前の壁画の細部を今に伝える唯一の資料となった。
昭和42年の再現模写以来法隆寺収蔵庫に厳重に保存されていたガラス乾板が、このたび出版事業を機に40年ぶりに封を解かれ、かつて撮影を担当した京都の印刷会社に持ち込まれた。
それを見た職人たちの魂が、かき立てられた。原寸大ガラス乾板は白黒だが、現代の技術をもってカラーで法隆寺金堂壁画が再現できないか。
昭和10年にこの会社独自の判断で撮影された四色分解の縮小版ガラス乾板が取り出され、挑戦が始まった。
5月末、白鳳仏教絵画の至宝とされ人気も高い6号壁観音菩薩の胸から上の部分が、カラー原寸大で甦った。
細部を凝視することで見えてくる1300年前の画工の腕前、シルクロードを貫く影響関係。
あらためて、法隆寺金堂壁画の魅力に迫る。」

と、いうことのようだった。

いつもながら、頭を傾げなければならないこういった番組中で、今回は番組を観ながら思わず「そんな、ばかなぁ!!」と叫んでしまったことがあったので、やはりこれは書いておかないといけないと思い、ブログに書き出した次第である。

復元された『観音菩薩』

それは、法隆寺壁画 6号壁 阿弥陀浄土図中の観音菩薩の図像が、見事に現代のカラー印刷技術で再現され、今までよく分からなかった細部が分かったということだった。
その切手にもなった有名な観音菩薩の耳飾(ほんとうは朱鬘のような首飾り)の実物再現である。
新しい発見として、美しい赤と緑の目玉ガラスで首飾りのように左右が繋がった『耳飾り』が再現された。代わる代わる手に取った出演者は、「意外と軽いですね・・・」
ビックリした・・・・。そんなはずはない。ガラス珠は大きいし重いに決まってる。

本当は目玉ガラスの朱鬘(髪を束ねる連珠)のような首飾りを首から下げ、それとは別に『左右と下方向に円い飾りのついた耳飾り』をしているのだ。
本家のインド・アジャンタの壁画や敦煌の壁画、それに法隆寺の他の菩薩像をみてもハッキリすることなのに、天下のNHKがまた調子に乗って、まったく新しい耳飾のデザインを「1300年前のデザイン発見」として発表してしまったのだ。

壁画を担当した絵師の塗り間違え、右耳飾りの左右と下の円のうち、下の円は、担当した絵師が首飾りの延長と勘違いして緑に塗ってしまったのだろう。

同じ法隆寺の12号壁の十一面観音像を見れば、それにすぐ気がつくはずなのだが・・・。

12号壁-十一面観音

アジャンター壁画が6世紀前後、敦煌壁画が7世紀前後、そして法隆寺壁画が7世紀末というから、アジャンターから約200年かかって法隆寺へ受け継がれた仏画といえる。
写し伝える絵師たちにも間違った解釈をする者がいたり、うっかり塗ってしまったが間違いに気がつかいない絵師も居たはずである。
新しい発見というならば、「この観音部分を担当した絵師がうっかりか、よく考えないで耳飾の下の円を首飾りの連続したガラス玉と同じように緑の顔料を塗ってしまった。」というのが本当だろう。


うんちくひけらかし | 14:08:17 | Trackback(0) | Comments(0)