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藤野正観のちょっと書いてみます(2017年9月号原稿より) 
2017-9月号用-2006年6月-インド・夏安居体験ツアー カンヘ-リ-石窟群遺跡にて
2006年6月-インド・夏安居体験ツアー カンヘ-リ-石窟群遺跡にて


カンヘーリー石窟群

 この冊子が配布される九月もまだまだ暑いはずですので、前回の猛暑体験旅行の続きということで、もう一ヶ所、鮮烈に記憶に残っている仏教遺跡をご紹介しようと思います。
 二〇〇六年六月「猛暑体験ツアー」の最終日。その日の前日は、南インドの東側、ベンガル湾に面する州都、チェンナイ(旧名マドラス)に居ましたが、ここもやはり猛暑。私たち全員、かなり疲れが溜まっています。
 それでも、なんとか世界遺産マハバリプラム海岸寺院などを訪問後、国内線でムンバイに向かいますが、この町のすぐ西には、世界的に有名なIT都市バンガロールがあり、これまで一緒に旅をしてきたこの町出身のインド人女性のNさん(日本在住)は、ここで我々一行と別れ、実家に寄って帰ることになり、残りの十二名でムンバイへ向かったのです。
 チェンナイから約二時間のフライトでムンバイの空港に降りると、びっくりです。
さすがにインド最大の都市です。
 かつてボンベイと呼ばれていたこの大都市は、町のあちこちに十階建てのビルぐらいの大きさの映画の看板が建ち並び、ボリウッドと呼ばれ世界最大の映画の生産地であることを感じさせてくれます。
 道路は立体交差で高層ビル群が建ち並んでいます。場所によっては東京の銀座より地価が高い場所があると聞きました。でも、その一方で空港の近くにはアジア最大といわれるスラム街が広がり、映画「スラムドッグ$ミリオネア」でもお馴染みです。
 車の量も日本の大都会と変わりません。交通渋滞が多く、バスもなかなか思うように動いてくれません。
 ここムンバイでは、世界遺産のエレファンタ島を見学して、市内観光の後、香港経由で帰国という予定でしたが、この渋滞の様子では、到底計画通りには行かないということで、現地のガイドさんは、比較的空港に近い「カンヘーリー石窟群」へ行くことを提案されました。
 帰りの飛行機に乗れないと大変ですので、あまり期待はしていませんでしたが、予定を変更して、その世界遺産ではない「遺跡」に行くことにしました。
 カンヘーリー石窟群は、ムンバイの中心部より四十㎞ほど北にあるサンジャイ・ガーンディー国立公園の中の西側にあります。
 公園の入り口から、比較的明るいジャングルの中をバスで六㎞ほど西に進むと、大きな岩山の石窟群が現れます。クーラーの効き過ぎたバスを降りるとそこもやっぱり熱帯です。
 世界遺産の「アジャンター石窟群」と同じく紀元前一世紀頃に造り始められたそうです。この石窟寺院前の岩盤広場を柄の短い箒で掃く老いた男性の他、辺りには我々しかいません。
 時おり美しいサリー姿の女性数人が水の入った壺を頭に乗せ、通り過ぎます。静かですー。
 周囲を取り囲むジャングルの緑の大海で冷やされた風が、野生の猿の声や熱帯の鳥の声と共に石窟群を吹き抜けます。
 遺跡は、アジャンターの規模には及びませんが、いづれ世界遺産に登録されるはずです。この石窟寺院、観光客で賑わう他の世界遺産とは違い、誰も居ない静寂が、時を超えて私達だけを迎えてくれたような、そんな厳かでありがたい気分にしてくれたのです。


冊子原稿より | 14:06:45 | Trackback(0) | Comments(0)