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藤野正観のちょっと書いてみます(2017年12月号原稿より) 
2017-12月号用 - 毎年紅葉の頃、開催される『善峯寺に集う作家たち展』の様子
毎年紅葉の頃、開催される『善峯寺に集う作家たち展』の様子


職人絵師の本音

 毎年、十一月の紅葉の頃になると、西国二十番札所の善峯寺のご厚意で阿弥陀堂横の大書院の間をお借りし、展覧会を開催しています。
 『善峯寺に集う作家たち展』と名打って、私の仏画をメインに、金工職人や仏師、塗師、陶芸家や木地師等、お知り合いのお仲間と始めたのが、今から二十五年ほど前になります。
 始めた当初は、地元の新聞社等に連絡したりして広報活動を怠ることはありませんでしたが、最近では、マンネリとでも言うのでしょうか・・・、お寺のご厚意もよそに、新作すら用意できないまま、毎年この時期が来れば、工房付属のギャラリーから展示作品を外し、そのまま寺へ移動するといったことが、五年ほど続いています。
これではいけない・・・と思いつつも、日頃の仕事の忙しさにかまけて、新作を描く時間を用意できないことになっているのです。
 そもそも、展覧会というものは、普段の仕事が欲しくて実力を観ていただいたうえで、仕事を貰おうといった、せこい趣旨で開催していましたので、日頃の仕事が確保できていれば、創作は後回しとなるのは、当然と言えば当然のことで、わざわざ新作を観ようと来られる方にとってはふざけた展覧会ということになります。
 職人とは、そういう姿勢の人が多いのです・・・。身勝手なものなのです。
 と、言いつつも、一方で、これでは、毎年観に来て頂く方々に申し訳ないと、せめて小品だけでもと毎年用意するのですが、それも今年は皆無となり、  
 正直、開催するのも億劫になります。それでも、私たち職人絵師は、やっぱりプロですので、依頼を受けた仕事をおろそかにはできないのです。
何よりも仕事を最優先することに気を配って生きて来たのです。
 基本的に、物創りという点では似てはいるのですが、アーティストという自由な立場では活動していないのです・・・。

 依頼の仕事が無くなれば、また、ゆっくり創作活動をしたいなぁ・・・と想いを募らせながら、ひたすらまじめに消化しているのです。仕事が薄かった頃から比べてみれば、経済的な観点から見れば贅沢な身分となったのでしょうか・・・。
 ですので、今、執筆しているこの展覧会の記事も、十一月号に書けば、りっぱな広報になり、仏画に興味をお持ちの方には来て頂けたかもしれませんが、この記事が掲載される十二月号がお手元に届く頃には、この展覧会は終了していることになります。
 なぜ、こうも展覧会に来て頂こうと、昔のような積極的な気持ちが無くなってしまったのか、我ながらあきれています。
 私自身が「あきれている」ということから、鑑みれば、やはり、絵師と言えども私のどこかに創作家としての熱い想いも完全には消え去ってはいないのかもしれません。
 そろそろ、老いた脳細胞活性化の為にも、自由な立場で創作活動を始めるのも良いのかもしれません。
 でも、それには時間が必要です。
ゆったりと流れる時間に身を置いて、今まで培って来た仏絵師人生の中からどんなイメージが生まれ、創作できるのか自分でも興味津々です。
いづれにせよ、仕事に追われた状態ではそれが生まれて来ないことは重々分かっているのですが・・・。


冊子原稿より | 09:19:26 | Trackback(0) | Comments(0)

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