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スジャータ村 Sujata Village 


前の記事で書いたように、仏画『出山釈迦図』でお馴染みのお話である。
6年に渡り生死の境をさ迷うような激しい苦行を続けたが、苦行のみでは悟りを得ることが出来ないと判断(仏教の根本思想である中道を意味する)し、山(前正覚山)を降りる。
そのやつれた身体を癒し清めるため、やっとの思いで辿り着いた付近の尼連禅河(ネーランジャラー河)で沐浴をした。

付近のセーナ村に住む娘スジャータは、やつれ果てた姿の釈尊に遭遇して供養した。釈尊は、スジャータから供養された乳がゆを食して、体力を回復した。

(※スリランカに伝来の最後の旅が書かれた『スッタニパータ』では、スジャータはこの乳がゆに、諸天妙汁を加えていたと記しているそうだが、これが何なのか分からない。)

空腹に乳がゆの補給で、心身ともに回復した釈尊は心を落ち着かせて、乾季で水がほとんど無くなった尼連禅河を渡り、対岸(ブッダガヤ)まで歩いた。

余談だが、12月というこの時期、ネーランジャラー河には水は一滴も無い。まるで、砂漠のような川床が続いている。(我々一行は、この状態の川床に降り、砂を採集した)
当時はどうだったのか分からないが、乾季に入ったばかりなので、まだ沐浴できるほどの水が流れていたのだろうか・・・、少々疑問が残るのだが・・・。もし、流れがあったのなら、対岸のブッダガヤの森までどうやって行ったのだろう・・・。

現ブッダガヤの森の中にある大きな菩提樹の下(現大菩提寺)の岩(金剛宝座)の上に、通りがかった村人に干し草を貰って敷きつめ、その上に結跏趺坐(あぐら)し、瞑想に入った。
あらゆる誘惑(降魔)に打ち勝ち、釈尊35歳、旧暦12月8日の明け方(東アジアの伝承)、遂に成道し、仏陀となった。

悟りを開いた釈尊は、この素晴らしい悟り・真理が、他の人に理解してもらえるかどうか、その真理を他人に説くべきか否かを悩んでいた。
しかし、そこに、梵天が現れ、すみやかに衆生に説法するよう勧めた。そこで、釈尊は自らの悟りの内容をいかに説き、どう表現説明すればいいのかを求め、また七週間の冥想に入った。

一般的に、釈尊がスジャータから乳がゆの供養を得て悟りを得た後に、鹿野苑で最初に説法して弟子となったのは、五比丘であり、優婆夷(うばい)ができたのも、その後と考えられるが、スジャータが最初の優婆夷とする仏典もあるそうだが、スジャータは、後に仏陀に帰依するが、当初は、悟りを得た仏陀の帰依者ではなく、悟りを開く手助け、きっかけになった女性として、後に聖人として祀られ、ストゥーパーが存在しているのだと思う。

※(仏教徒の中で、在家の女性信者を優婆夷という。男性は優婆塞(うばそく)という。

遺跡は、いかにもスジャータの『村』といった感じで、当時は「セーナ村」といったそうだ。ここは、今も日本の昭和初期の田舎を彷彿とさせる。ここも大好きな遺跡、ストゥーパだ。
10年前に来た時は、まだ発掘中で、半分だけレンガの遺跡が掘り出されていた。インドの発掘は、発掘しながら修理をするということで、「いきなり修復とは・・、だいじょうぶかいな・・・。」と思わずつぶやいた記憶がある。
しかし、今回も印象は変わらなかったが、遺跡は全容を現し、きれいに修復もされていた。遺跡の塀の中は、脱穀機に繋がれた耕運機のエンジンの音も小さくなり、時間が止まったようなのどかな光景が現れる。
ほんの一時だったが、静かなスジャータ村を堪能させてくれた。
遺跡の周囲の農家の佇まいも私の幼い頃の田舎を思い起こさせてくれた。

豊かな大地はここに住む貧しい人々をやさしく包み込んでいる。

勝手知ったる遺跡に、ビデオカメラを持って一人で走り入り、観光客の居ないストゥーパ周辺を撮った。ビデオカメラを回していると、豊かに青々とした野菜のなる畑の近くに、決して裕福とはいえない身なりの少女が映りこんだ。
遺跡に訪れた参拝客に有刺鉄線越しに物乞いする農家の人達も私に向かって、口元に手をやり「食べ物」という身振りをし、「何か食い物をくれ」とばかりに手を差し出し、その動作を繰り返す。
この人たちは、不可触民ではなく、お百姓さんだと思われる。

物を持っていない人が、物を持っている人に手を差し出し、物をねだるのは当たり前のことと聞いたことがあるが、たぶん、彼女たちからすれば、我々が外国から来た裕福な観光客に映っているのだろう。
こつこつ旅費を溜めてやっと10年ぶりに来たとは思って貰えない。

その少女は、若いお母さんの元に駆け寄り、我々一行のことを告げたのであろう。畑のあぜ道を、物見遊山なのか、二人でこちらに近寄ってくる。
逆光でその姿を捉えると、まるで、スジャータが映りこんだような錯覚を覚える。
良い絵が撮れたと思う。その部分をスロー再生にして編集した。

動画をご覧頂いた皆さんも、スジャータに会えたのでは・・・。
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| 17:36:48 | Trackback(0) | Comments(0)
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