FC2ブログ
 
■プロフィール
■最近の記事
■月別アーカイブ

■カテゴリー
■ブログ内検索

藤野正観のちょっと書いてみます(2016年5月号原稿より) 
2016-5月号用-東近江市五個荘の重要伝統的建造物群保存地区
東近江市五個荘の重要伝統的建造物群保存地区


受 賞

 先日、私の故郷、東近江市五個荘地区まちづくり協議会から「ふるさと輝き大賞」を受ける機会がありました。賞を受けるといったことは、染織図案家時代以来のことで、仏画を生業にしてからは、まったく無縁なものになっていました。

「賞」とは、個人または団体に対して審査・判定をした上で、業績を讃える目的で贈呈あるいは授与されるもの。と定義されているようです。
私は、この賞が決まった。と、報告を受けた時には、意味や内容が分からなかったこともあり、素直に喜べませんでした。
 なぜなら、私の業績に対して、審査し判定があったことになるわけですから、その判定をした方がどんな方なのかが気になったのです。
 私のような職人絵師の業績を正当に評価できる人は、「五個荘地区まちづくり協議会」でないことは明らかだったからです。
 私の辿ってきた経験に基づいて書きますと、作家は賞を頂くと、経歴の内容が華やかになります。
 しかし、実際その賞は、作家なり職人の所属する会や組合といった団体の選出した役員が審査し、決めるのが一般的で、いわば、会員に都合の良い互選システムで成り立っています。つまり、身内が身内を評価するといった手前味噌的な選出方法が一般的なのです。
 こういった賞には、一人でも多くの会員または組合員が、順番に受賞できるように、とまでは言いませんが、総理大臣賞から市長賞、各団体賞まで多数設けられ、そういった賞取りメリットがないと作家や職人は会費を納めて席を置くことはしません。
 また、そういった団体は、賞に留まらず、会員の能力を一般に誇示する為に、国や都道府県名義でその技能を認定するといったこともします。当然ながら専門家の知識がないと、その賞や認定される人を選ぶことなどできはしませんから、仕方ないといえば仕方ないのですが、逆にこの賞や認定欲しさに会や組合を利用し、入会するといったつわ者も登場してきます。
 私の関わった団体以外のことは分かりませんが、ほとんどの団体は、こんなことだと思います。
ただ、長年の画業に対して授与される場合もありますので、一概に手前味噌と一括りにすることはできませんが、いづれにせよ、○○賞は、一人で生活しなければならない作家の是非とも欲しい営業アイテムとなるのです。
 で、話を元に戻しますが、頂いた賞状の文面をよく読んでみますと、「画業の功績を通じて故郷の住民に元気を与えてくれた。貴方は郷土の誇りだ」。ということなのです。
 賞を営業アイテムぐらいの認識でいた私は、仏画を生業にしてからはどの組織にも所属していませんから賞を頂く機会はない筈でした。
 故郷の人たちがくれたこの賞は、営業アイテムにはなり得ませんが、十八歳から故郷を離れて好きに生きてきた私に、「輝いている」と賛辞を呈してくれたのです。
今、何となく肩の力がほぐれていくのを感じています―。
関連記事


冊子原稿より | 13:55:04 | Trackback(0) | Comments(0)
コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する