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人道
人道、つまり人間界には、3つの様相があります。

1、不浄の相。
人間の体は三百六十の骨、九百の肉片、九百の筋などでできており、腹の中には五臓六腑と呼ばれる内蔵や腸がぎっしり詰まっています。
そして、どのように上等で上品な食べ物を食べても、体内では、一夜も経てば不浄となります。
その糞のように、老いも若きも、いかに美しく飾ろうとも、人の体は不浄なものなのです。
まして、死後、墓地に捨てられ七日もたてばその体は腐乱し、発酵し、ふくれあがり。
野獣に食われ蛆がむらがり、ついに白骨となり、多くない年月を経ると土に還ります。
つまり、人間の体は生まれた始めから死ぬ終わりまで不浄なのです。
絶世の美女とて同じこと、死んで野に捨てられれば、その身は腐乱し、鳥獣の餌食となり、蛆におおわれ、白骨となり、やがて土に還ります。

2、苦相。
男も女も、この世に一度生を受け、外気に触れるとともに、誰もが同じようにはげしい苦悩を受けます。
成長した後も、体内には四百四病といわれるような、全身さまざまの病を宿し、体外には罪によって捕らえられ責められたり、寒さ熱さ、飢え渇き、あるいは自然の暴威など、さまざまな苦悩が迫ります。これを四苦八苦といいます。
四苦とは生・老・病・死を、八苦は四苦に愛別離苦、怨憎会苦、求不得苦、五盛陰苦を加えたものです。

3、無常の相。
人は誰もどんな人も必ず死にます。
一日が過ぎるごとに生きる日数が一日減っていくさまは、乏しい水に浮かぶ楽しみもない魚や、屠殺場へ一歩一歩死に近づく牛の歩にも似ている。
無情の死神は、権力のあるなし、頭のよしあしに関係なく、いつでもどこでも誰にでも、無常に迫ってきます。

ということで、人として生まれると、こういった辛いことが溢れるように襲って来ることが当たり前なんだと知ることで、どんな困難も不幸も、なんとか肝要に受け入れることができると思います。
でも、人間界に生まれた人はまだ良いのです。
まだ、この下の世界にはこれ以上の苦しみがあるのです。

次は、畜生道について書きます。



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テーマ:心と身体 - ジャンル:心と身体

六道のこと | 16:39:07 | Trackback(0) | Comments(0)
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